本店と本社の違い
※この記事はJ-LiC上場企業サーチの前身の上場企業サーチ.comから移設・編集したものです。
本店と本社の違い
本店とは企業の登記簿に記載された事業所であり、株式会社に限らずすべての法人は必ず1つの事業所を本店として届け出なければなりません。
他方で本社は事業推進上の拠点となる事業所のことであり、必ずしも本店と一致させる必要はなく、複数の事業所をそれぞれ本社としても構いません。
複数の事業所を本社とする場合、通常は大阪本社、東京本社などと区別します。
本店と本社が異なる上場企業の例
実は本店と本社が異なる上場企業は相当数存在しており、珍しいものではありませんが、今回は有名企業を中心に幾つか紹介します。
ファーストリテイリング
ユニクロやGUを展開している会社です。
ファーストリテイリングの本社機能(東京本部)は東京のど真ん中、六本木にある東京ミッドタウンにありますが、本店所在地は山口県山口市となっています。
今でも創業の地である山口県に拠点を残している形ですが、厳密には山口県宇部市が創業の地のようです。
伊藤忠商事
5大総合商社の一つで、7つのカンパニーの傘下に約600社の子会社を抱えています。
消費者向けの有名どころにはファミリーマートやエドウィンなどがあります。
伊藤忠商事は東京都の青山に東京本社、大阪府の梅田に大阪本社を置く2本社制を採用していますが、登記上は大阪本社が本店となっています。
伊藤忠商事の例が示すように、企業の中には複数の本社を置いている場合があります。
一般的には人材を集めたり顧客・仕入先との取引の関係から、地方に本店を置く企業が東京や大阪に本社機能を構えるケースが多いように思います。
なお、本店は商業登記制度に基づき、1法人1本店であることに例外はありません。
富士通
言わずと知れた日本を代表する総合電機メーカーの一つです。
富士通は本社機能を東京の汐留に構える一方で、川崎市中原区に位置する川崎工場が本店として登記されています。
製造業の中には、富士通に限らず、主要な工場を本店にしているケースは他にも存在します。
やはりモノづくりから出発した企業の初心は常に現場にあるべき、ということでしょうか。