証券コードの英文字組み入れ
証券コードの空き番号枯渇
上場企業を識別するための証券コードは長らく数字4桁が使われていましたが、平成5年7月以降は、一度発番した証券コードはその会社が上場廃止しても再利用されない方針となったため、空き番号が枯渇する課題を抱えていました。
数字4桁だと述べ1万社が上場した時点で空き番号がなくなることになりますが、実はこの問題はかなり前から認識はされており、 証券コード協議会は2009年の時点で4桁コードの枯渇後は、英文字組入れによる方法でコードを付番してく旨の基本方針を公表しており、2010年に英文字組み入れの具体的な方法を公表していましたが、英文字組み入れの開始時期は「4桁コードの枯渇後から」となっていたため、長らく開始時期が未定のまま実施が棚上げされていた状態でした。
(参考:https://www.jpx.co.jp/sicc/code-pr/aocfb400000017c1-att/eimoji.pdf)
その後、2022年5月31日に、証券コード協議会から「証券コードへの英文字組入れの実施時期の決定について」という通知文が出され、
近年進行する残コード数の減少を踏まえ、英文字組入れを円滑に実施する観点から、今般、固有名コードが枯渇する前であっても、2024年1月1日以降に新たに設定するコードから英文字組入れを実施することが発表されていました。
(参考:https://www.jpx.co.jp/sicc/securities-code/nlsgeu00000329ri-att/siryou0531.zip)
最初の英文字組入れ企業の誕生
2024年1月30日にTOKYO PRO Marketに上場した「株式会社アイエヌホールディングス」は、初めて英字組入れが適用された企業であり、 証券コードにはアルファベットの”A”を含む「132A」が割り当てられました。
証券コードに関する豆知識
業種との関係
元々は、業種ごとに付与される番号が決まっており、例えば1300番台は水産・農業、1500番台は鉱業といったようなルールがありました。
ただしこちらは、近年の上場企業の業種傾向が設定当時から変わってきていることなどから、全体の番号が枯渇する前から一部業種については空き番号が足りない事態が発生していたため、最近の上場企業においては、業種の番号帯と異なる証券コードを持つ会社が出てきていました。
一例として、2024年1月に上場した3社を見てみます。
たまたまですが、いずれもTOKYO PRO Market上場企業なので一般投資家は売買できない株式ですがご了承ください。
情報・通信業のワンビ株式会社は証券コードが5622、小売業の株式会社RAVIPAは同様に5893ですが、5000番台は 元々資源・素材業に割り当てられていた番号帯です。
一方で陸運業の株式会社アイエヌホールディングスは132Aですが、1300番台は元々水産・農業に割り当てられていた番号帯でした。
新証券コードとISINコード
一般に広く認知されている証券コードは4桁ですが、実は上場企業(上場株式)を識別するコードには、証券コードの他に新証券コードとISINコードというコードも存在します。
ISINコードはISOに準拠した証券コードであり、新証券コードはISINコードと整合するように採番されています。
一般投資家には馴染みのないコードですが、投資信託振替制度では、投資信託の銘柄管理及びシステム処理においてISINコードが利用されています。
一例として、トヨタ自動車について見てみます。
証券コード:7203
新証券コード:363340000(発行体属性コード:1桁+発行体固有コード:5桁、証券種類コード:3桁)
ISINコード:JP3633400001
EDINETコード
EDINETコードは、企業内容開示制度に基づきEDINETを通して情報開示する際に開示書類を識別されるために利用される6桁のコードです。
提出者は上場企業に限られませんが、上場企業はTOKYO PRO Market上場企業を除くと有価証券届出書や有価証券報告書の提出義務があるため、必ずEDINETコードを持っています。
例えば、先ほどと同じトヨタ自動車について見ると、EDINETコードはE02144です。