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株式の売買単位は?上場企業の株式は1株から買えるの?

投稿日(更新日):2024-01-16

売買単位

株式会社が発行する株式は、たとえ1株であってもこれを有する者は株主であり、本来は1株から譲渡(売買)することができ、株主としての権利を行使することができます。


単元株

他方で、会社法は単元株という制度を定めており、権利行使単位に例外を認めています。

単元株制度とは、定款で一定の数の株式を「一単元」と定めることで、株主総会において一単元の株式につき1個の議決権を認め、単元未満株式には議決権を認めないこととする制度です(会社法188条1項、189条1項)。

何株を一単元とするかは、1,000株以下及び発行済株式の総数の200分の1以下という制限の範囲内で会社(株主)が決めることができます。

単元株制度を採用している場合であっても、1株を持つ者は株主である事実は変わらないのですが、
議決権が制限される単元未満株と単元株では実質的な価値が変わってくることになります。
そのため、上場企業においては、単元株が最小売買単位となっています。


上場企業の単元株の株数は?

以前は会社によってまちまちであった時代があり、1株(単元株制度不採用)~1000株まで幅がありました。
そのため、会社によっては最小単位を売買するために100万円以上の資金が必要になることも少なくなく、個人には手が出しづらい株式もありました。

しかし現在では、原則として上場企業の単元株は100株とすること、また望ましい投資単位を50万円未満とする方針を証券取引所が示したことで、100株単位での売買が基本となっています。


単元未満の株式の取り扱い

最後に一単元に満たない単元未満株について少しだけ触れます。

例えば、一単元が100株の場合で10:1の株式併合がなされたときなどには、
元々100株を持っていた株主の持株が10株になり、一単元を持たない株主が発生することがあります。

単元未満株は議決権行使が制限される以外は通常の株式と同じですので、持っていれば配当を受け取ることができます。

ただし、単元未満株式は市場で売買することができないため、投資回収をするためには株式買取請求権と呼ばれる権利を行使して、会社に株式を買い取ってもらうことになります。

なお、単元未満株と似たような概念で端株というものがあります。
こちらは1株に満たない株式を指す言葉で、旧商法の時代は端株も一定の株主権を持つ株主として扱われていましたが、
現在の会社法になったときに端株制度は廃止されました。

株式分割などにより一株未満の端数が発生する場合、その端数は金銭によって処理されることになっています。