- 有価証券報告書-第59期(2024/04/01-2025/03/31)
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(継続企業の前提に関する事項)
当社は、2020年以降、コロナ禍からの回復に伴う事業の正常化を図るとともに、銀行の支援を受けながら、過剰債務の解消に向けた着実な取組みを続けてまいりました。
事業の正常化と債務返済は一定の進展を見せたものの、返済を優先した資金運用の影響により手元流動性は低く抑えられた状態が続いておりました。
このような状況下で、2025年3月期には営業損失を計上し、「(重要な後発事象)」に記載の通り、2025年5月に第三者割当による増資を実施したものの、先行きの不透明感が払拭できず、依然として手元流動性資金の確保に支障が生じる可能性があることから、継続企業の前提に関する重要な疑義を生じさせるような事象又は状況が存在しております。
当社は、当該状況を解消すべく、以下の施策を行うことにより、経営構造の抜本的な改革と持続的成長に向けた再構築に取り組んで参ります。
1.収益力の再強化となる都市型納骨堂の安定収益化
今回の増資で取得予定の「都市型納骨堂事業(文京区)」は、すでに実稼働しており、収益性の高い物件であることから、当該物件を中核とした自社販売体制の強化・販売促進策との連動により、短期的なキャッシュ創出源として活用し、当社の主力事業の収益力を早期に再構築いたします。
2.販売戦略の改革とマーケティング投資の再設計
今後は、コストを抑えながら効率的に集客できる広告戦略と、会員制度・セミナーなどの再設計を進め、マーケティングの費用対効果を高めることにより、高額な広告投下から脱却し、「来ていただける・選ばれる」導線づくりへ転換して参ります。
3.財務の安定化と自己資本比率の回復
今回の増資により、自己資本比率と短期流動性の改善が可能となり、債務依存からの段階的脱却が可能となることから、今後は、フリーキャッシュフローの創出と財務レバレッジの適正化を両立させる運営方針を徹底して参ります。
4.ガバナンスと経営執行の一体化
営業、開発、経営管理の各部門間の情報を連携し、「数字に基づく意思決定」「迅速な執行・検証」のPDCA体制を更に強化するため、役員会・経営会議の機能を見直し、経営陣のリーダーシップと現場実行力の両立を図ります。
5.企業価値と信頼回復への着実な歩み
増資を機に、短期的な収益改善とともに、透明性の高い情報発信・実行力のある経営体制の構築を通じて、株主・金融機関・取引先との信頼関係の回復を着実に図って参ります。
これらの施策を通じて、ニチリョクは「総合シニアライフサポート企業」としての原点に立ち返りながら、変化する社会課題に対応する持続可能な企業への転換を実現して参ります。
しかしながら、上記の施策は実施途上にあるため、収益性の改善状況や販売状況等によっては、依然として手元流動性資金の確保に支障が生じる可能性があることから、継続企業の前提に関する重要な不確実性が認められます。
なお、財務諸表は継続企業を前提として作成しており、継続企業の前提に関する重要な不確実性の影響を財務諸表には反映しておりません。